東京・佃(1987-1997) 小島健司 写真展
オリンパスホール1997年
このページを纏めた、東京・佃<1987-1997>写真集を出版しました。
佃の歴史は徳川家康が江戸幕府を開いた直後から始まり、東京では最古を誇っているそうです。家康の江戸入城に際し摂津西成群佃村の魚民が魚船をもって家康の一行を渡したということから魚りょう及び密使の役を受けました。その後、佃島の漁師たちが自力で佃島をつくりあげてきたという歴史があります。 この街は、佃島と呼ばれ明治時代に東京湾埋め立てが始まる前までは、河口の小さな島でした。関東大震災、第二次世界大戦をも脱れた佃は、昭和39年「佃の渡し」に代わって佃大橋が架けられてからも昔のままの家並み、しっとりとした路地と舟溜まりの風景、人々の温もりがあり、その生活が残っていました。私は、この佃に魅せられ興味を持たされました。約10年間毎月欠かさずレンズを向けてきた佃、バブルやその崩壊、開発がこの街にも当然のようにあり、その現実を見、印画紙に焼き付けてきたのです。今回の写真展では、著しく変貌し続ける「東京。佃」を見て頂き正しい生活、都市の在り方を学びたいと思っています。(写真展当時の作品解説、小島健司)